目的・ご挨拶
会の目的
色えんぴつは、精神障がい者の社会復帰にかかわる相談支援事業、障がい者就労継続支援B型事業所として「喫茶 色えんぴつ」と「みどりの歩み」、および共同生活援助事業(グループホーム)の運営を行っています。また、平成30年10月から自立生活援助事業を始めました。これらの事業を通して、精神障がいについての正しい知識の普及や啓発を行うとともに、障がいのある人が普通に暮らせる地域社会の実現に寄与することを目的としています。
理事長よりご挨拶
理事長 入戸野 祐子
障害者総合支援法はすべての障がい者が障がいの区別なく、一市民として平等・公平な権利を持っていることを謳っています。しかし精神障がい者は偏見をもって見られることが多く、長い間「こうしたい」とか、「こうありたい」という自分の思いを表現することさえできず、社会からも受け入れられずにいたという辛い歴史があります。NPO法人 色えんぴつは障がい者(主に精神障がい者)が、地域で「安心して普通に暮らせる社会」の実現(共生)を目指して活動している団体です。大田区において事業を展開して、はや20数年たちました。
今でこそ国と東京都から補助をうけて運営していますが、20数年前は地域での生活支援の制度も十分にはありませんでした。そのような時期に看護師・保健師・ソーシャルワーカー・当事者・家族らが集まってグループホーム設立準備会を発足させ、「地域で暮らしたい」という当事者の“思い”を叶えようと、何回も話し合いを持って立ち上げたものです。
精神科看護事例検討会の仲間の初代理事長から、私に「蒲田一丁目にグループホームの物件を借りたから、そこを人が住めるようにして欲しい」との依頼があり、これがNPO法人 色えんぴつ創設に関わるきっかけになりました。十分な資金もなく始めたことから、借りた物件は古くて傾いており、とても人が住めるような状態ではありませんでした。でも、入れ代わり立ち代わり様々な支援者が笑顔で訪れ、洗面台を取り付けて下さったり、廊下を磨いて下さったり…、近くを通ったからと立ち寄り、限られた時間を割いていろいろとお手伝いをして下さいました。地域にこうした拠点を作っていこうという希望や熱い思いに触れて、私はとても感動したことを覚えています。
1995年の精神保健福祉法などに基づき、精神障がい者の人権を守る・社会復帰を促進する・自立を促すという施策が進んでいきました。翌96年に「喫茶 色えんぴつ」も小規模作業所としてスタートしました。その後、移転や改修工事を経て現在はきれいな施設に生まれ変わり、NPO法人 色えんぴつとして障害者総合支援法に基づき障害福祉サービスとして事業を展開しています。
色えんぴつの事業に賛同し、ともに歩んでくださった利用者の方々や献身的にお手伝いをして下さった支援者の皆様のご支援があってこそ今日があるのだ、と感謝の気持ちでいっぱいになります。
今後も「住まう・憩う・働く」場を提供し、職員や利用者の区別なく支え、支えられながら互いの成長を育み学び合っていきたいと思っております。
平成30年10月から、Kハウスのユニットとして滞在型グループホームの開設及び自立生活援助事業を開設いたしました。利用者を支える必要な支援は社会の変化に対応し、進化し続けなければなりません。私共は利用者の方々が、ご自身の力を十二分に発揮できるように人と繋がり、社会の中で自分らしく誇りを持って生きることを応援していきたいと思っています。
これまで出会ったたくさんの方々の期待に応える意味でも、更なる福祉サービスの向上と充実を図りたいと思っているところです。
今後ともご協力とご支援をどうぞよろしくお願い申し上げます。
(平成30年11月執筆)
沿革
1994年9月 | グループホーム「蒲田一丁目ハウス」設立 |
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1996年4月 | 小規模作業所「喫茶 色えんぴつ」を設立 |
1999年2月 | グループホーム「蒲田一丁目ハウス」から現在の地に移転。名称を「Kハウス」とする。 |
2005年12月 | 「特定非営利活動法人 色えんぴつ」認証 |
2006年10月 | 「Kハウス」、障害者自立支援法における共同生活援助事業所・通過型として都の指定を受ける。 |
2009年11月 | 「Kハウス」のユニットとして「ベラミハウス」を開設。通過型として都の指定を受ける。 |
2012年2月 | 「Kハウス」、共同生活介護事業としても指定を受ける。 |
2012年4月 | 「喫茶 色えんぴつ」、障害者自立支援法における就労継続支援B型事業所として都の指定をうける。 |
2012年8月 | 「みどりの歩み」、障害者自立支援法における就労継続支援B型事業所として都の指定をうける。 |
2014年 | 「Kハウス」、障害者総合支援法による共同生活援助事業を行う介護サービス包括型グループホームとなる。 |
2018年10月 | 「Kハウス」のユニットとして滞在型グループホーム「SYホーム」を開設。また、自立生活援助事業「欅」を開設。都の指定を受ける。 |
2022年6月 | 「喫茶 色えんぴつ」及び「みどりの歩み」、福祉サービス第三者評価(4回目)受審。 グループホーム「Kハウス」は、同2回目受審。 |
2023年5月 | 特定相談支援事業所「ガーベラ相談室」開設。 |